ル・コルビュジエの作品群(その一:国立西洋美術館 東京)が世界遺産に登録される(2016)。著者は、かれがピューリスム絵画「白いわん(1919)」に描いた一葉の紙片からその創造の秘密に迫る。巻かれた一葉のその紙片にみる力学は旅における民俗のスケッチと相まって、日常的身体の力を主題化し、古代ギリシアの肉体美でもなく中世ゴシック彫刻の精神美でもない、近代にみる新たな身体の表現を築いてゆく、地中海の碧(あお)き海に泳ぎ出て、遂に帰ることのなかったその光の只中に・・・。
呉谷充利著『ル・コルビュジエと近代絵画 -20世紀モダニズムの道程-』中央公論美術出版 2019年1月12日 発行( ¥3,200+税)
*相愛大学退職記念講演
「ル・コルビュジエ ー作品はなぜ世界遺産になったのかー」
於: 芦 悠 館 2018年2月26日