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呉谷充利『町人都市の誕生ーいきとすい、あるいは知ー』中央公論美術出版、2022年3月

普遍的なロゴスを語る以前に実存的といえる生としての有りように目を向けた著作。この視点から近代を第三階級(商工)のものであるとし、この階級の発祥の地である近世大坂を主題化する。この根本の文明の問題が問われることなく、脱亜入欧を以って始まった政治的近代としての明治に対し、商都大坂町人の世界が自然条件、仏教、経済、文学、芸能、学問の観点から述べられている。本書は言説と生活、公と私の乖離を明治近代に見て、これを超える身体のデモクラシーを言う。p.275(価格3600円+税)
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