新聞記事等
熊谷守一の志賀直哉への弔文、見つかる
2018年4月10日 志賀直哉他界を偲ぶ熊谷守一の弔文が見つかり、遺族から奈良学園(志賀直哉旧居)に寄贈される。画家のその筆致にわれわれはこの稀有な文学者の死に立ち会う。赤貧に画業を貫き、生の本質を独自の画風に極めた画家のこの文学者への哀惜…、鬼籍の文学者もまた生を眼差して作品に描ききろうとした。僅かな一文に相通ずる精神の存在が滲む…。絵画と文学に共有されて現われる生は崇高さを帯びる。その弔文である。 「拝呈 御主人様 御他界の由まことに淋しい事で御座います 故人の御冥福を御祈りいたします 頓首 十一月二十四日 熊谷守一 志賀康子様」
(呉谷) 弔文
(翻刻)
拝呈
「御主人様
御他界の由まことに淋しい事で御座います
故人の御冥福を御祈りいたします 頓首
十一月二十四日 熊谷守一
志賀康子様」
志賀直哉の小説表紙になった熊谷守一の油絵
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