梁瀬 健『幻の観音像とご対面』りずむ創刊号(白樺サロンの会2012年)

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梁瀬健「幻の観音像とご対面」 りずむ創刊号(白樺サロンの会 2012年)

筆者は、平成18年6月、奈良の古本屋で手にした瀧井孝作の『折柴随筆』の「奈良より」を目にし、ある仏像の存在を知る。同年9月、大学の図書館で借りた志賀直哉全集の「来簡集」の偶然開かれた頁に谷崎から直哉宛への一通の書簡を目にする。その仏像を大財閥の安田善次郎の息子に売却しようとする旨の記述があった。

同年11月、その仏像が納まったに違いない安田家の大磯別邸の持仏堂を突き止め、開扉に立ち会う。が、もぬけの殻であった。落胆はいうまでもない。ところが翌19年7月、電車の中で読んだ大仏次郎の『敗戦日記』の昭和19年11月26日付に、その仏像が谷崎から直哉に渡っていたという記述があることを知る。ご子息の志賀直吉氏から返事が届く。「あの観音像は戦後売ってしまった。誰に売ったのかは分からない」

「谷崎、志賀の観音像はいったいどこに?」

 梁瀬健「幻の観音像とご対面」りずむ創刊号(白樺サロンの会 2012年)はこの驚きの顛末について書いている。(詳細は同号にて)

右は、第66号「奈良文化・観光クォータリー」(平成26年 [2014年] 4月1日)に寄稿した「幻の観音様とご対面」記事。(クリックで拡大)

見つかった谷崎、志賀の観音像(早稲田大学会津八一記念博物館 収蔵)
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